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​けせら暮らしの日々 

  • 2019年6月16日


2019年 6月16日 にちようび くもり


今日、2ヶ月ぶりくらいに我が家の藍の手入れをした


昨年9月に建てたこの藍は

冬の寒い日も休むことなくたくさんの藍色を出してくれた


そろそろお休みしようと

3月はじめに眠りについた


それから今日まで

お手入れも温めることも染めることもなくお休みしてもらっていた


pH10を下回ると腐ると言われる藍液

眠ったとき10下回っていたので

大丈夫かな?と少し不安だったけど

ブヨブヨに張った膜を取り除き試しにティッシュを液に浸してみた




すごい!


きれいな藍色が出た


pHは9,24


元気に生きていた


よかった


ありがとう


オーダーしていただいているTシャツの下染めを

軽くさせてもらって


丁寧に撹拌して

ゆっくりゆっくりありがとうを込めた



初めて建てたこの藍は


本やネットで得た知識を実践する

くらいの想いで建てはじめていたのだけど


毎日、調子をみていると

何を求めているのか

何と向き合わないといけないのか

私にずっと問いかけてきた


それに答えるべく自分に問いかけているうちに

香りや液の色、染めたとき立つ泡の色や、表面の膜、

染めた布を液から出し、空気に触れたときに移りゆく色

そんな毎日変わる藍の表情から

知識だけじゃなく肌で感じないと

藍からの問いかけに答えることはできないことがわかってきた


季節を肌で感じ

土に触れ、植物の表情を見る自然農と同じ


大さんが能勢でお野菜を育ていたとき

畑から帰ってきては肌で感じたことを私に話してくれた

自然と会話しているんだろうなと思っていた


ここに空気を入れてあげるとこの土壌が、野菜が、息をすることができる

水も流れ、風も流れ、微生物たちも喜ぶ

生えてくる雑草にも役割があり、その土地のため役目を終えると

次に生えてくる雑草に譲って消えていく


私は藍を手入れしているとき

大さんの畑からのお土産話を思い出すことが多かった


藍建ても自然農と同じ感覚なんだろうな


灰汁をあげること

貝灰をあげること

ゆっくり撹拌してあげること

色をいただくこと、、、、


pHが下がったから、色がでなくなったから

じゃなくて

藍と微生物と会話しないと

ずーっと色あせない藍色をいただくことはできない


真実は

私が染めた藍色が100年も200年もずっと先に

残っているのかで現れるのだろうな


私は今どれだけ藍と会話できているかな


一生、問い続けることになりそうです


  • 2019年5月9日


5月のわたんぼは毎年、織り機作りをしている

木枠に釘を打ち付けただけの織り機から始まり

2期から登場したのは竹の筬綜絖

3期4期は縦糸を巻き取れるようになり長い布が織れるようになった

そして、今年の5期は原始機を作ることにした

綜絖は糸にして、筬はもちろん竹、木の枝を加工したり、杼も木の板を削って作る


月一回の限られた時間の中でどこまで手づくりができるか、、、

毎年試行錯誤しながら準備している


参加してくれる人の中には、

カッターで木を削ることやインパクトを使うことが初めての方もいてるし、木工が得意の方もいてる

みんなが、難しすぎず、簡単で退屈しない程度の内容にしようと心がけている


1期のときは、釘を打つ強さがきちんと伝えきれず、深く打ちすぎて木が割れてしまったり、

まっすぐのこぎりで木を切ることが出来ずに木枠が斜めになってしまったりした


3期の織り機作りでは

釘やネジを使わず、ノミで木を削って木枠を使わないときは外せるようにデザインしたのだけど

工程が難しすぎて、全員が四苦八苦してしまい、完成までたどり着くのに数日かかってしまった


毎年、完成までには色んなドラマがあり、苦労があるけれど

自分で作った織り機は不格好でも世界で一つのかわいい子になる

そりゃ、織り機を買ったほうがきちんとした布が織れるだろう

でも、自分で作ることもできるということをわたんぼでは体験してもらいたい

だから、わたんぼでは織り機も手づくりする



手づくりを体験してもらうためのわたんぼの準備は結構大変で

毎年、織り機作りの準備に一番手間がかかっている


まずは

半年ほどかけて織り機のデザインを考える

そして考えたものの試作を作ってみて、みんなが同じように時間内に作れるか考えてみる

何回か作ってみて実際に布を織り、よし!今年の織り機はこれ!と決まったら

枝や木の板を手に入れて人数分に切り分けたり、難しそうなところは予め削っておいたり

材料の用意をして5月のわたんぼ準備の完了


この苦労は決して日の当たることではないけれど

でも、この隠れた手間や作業が結構楽しくて好きなのだ

多分、この工程ではみんなのため息が聞こえてくるだろうな、、、とか

カッターで木を削るのが苦手だった〇〇さんは、意外とこの工程は好きだろうな、、、とか

完成して布を織り始めたらみんなの嬉しい顔が見れるかな?

なんて、いろいろ妄想しながら準備する


ほんまあんたは変わってるなあとよく言われるけれど

かなりの変態だと自分でも思う


来年は

木の枝を山へ採取しに行くことや、竹を割ったり、廃材を集めに行くことなどの

今、私が準備していることも、わたんぼでしたいと思ってる


みんなと材料全てを一から手づくりできたらいいな


わたんぼは毎年進化している


私の妄想が止まらない限り、、、



↑今年の試作織り機で織った布









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